『日本 欧米 テレビ大鑑』キネマ旬報社 昭和28年4月(第61号)増刊

2019年8月28日

今回ご紹介するパブリックドメインの古雑誌は、テレビ放送開始初期に発行された、テレビにまつわる様々な情報が網羅された特集号です。

キネマ旬報の増刊として発行された、由緒正しきメディア情報誌なので、資料的にも価値があるものかもしれませんね。

表紙

赤と黄色でインパクトのある表紙デザインです。テレビを模したイラストのブラウン管部分には、ローズマリー・クルーニー(アメリカの歌手、女優)の画像が合成されてます。上品な美人さんですね。

因みに、ジョージ・クルーニーはこの方の甥にあたるそうです。

Left Caption

ホシガメ

そう言われて見れば似てるかも?……

表紙にあるキャッチコピーは、

テレビを見るために・テレビを知るために・凡ゆる人々に読んで頂きたい日本最初のテレビ全書!

だそうです。

『TVガイド』とか『ザテレビジョン』とかの、ご先祖的雑誌でしょうかねw

内容

表紙めくって最初の見開き

映画専門誌であるキネマ旬報社の発行らしく、洋画の広告からページが始まります。

『魅せられた女(改題:裁きは終りぬ)』アンドレ・カイヤットというフランスの映画監督のものらしいです。

この広告の中で、  魅せられた女 と赤地に白抜きされたフォント部分が、とてもいい雰囲気で魅力がありますね。昔は洋画の邦題を考えたり題字をデザインする専門の仕事があったんでしょうね。楽しそうな仕事だな。

そして次ページは、なんとコロムビア製の家具調テレビの広告です。

管理人ホシガメは、以前の記事にもある通りコロムビアの蓄音機をこよなく愛するわけですが、まさかコロムビアがテレビを発売していたとは知りませんでした。

広告にあるコピーは、クオリティを訴求し優位性をうたう言葉が並んでいます。

鮮明な画像!

テレビの生命は画像です。

鮮明な画像を特徴とするコロムビアのテレビ

スポーツ・音楽・演芸はテレビで楽しみましょう

ブラウン管サイズは、17インチと20インチがあり、

欧米品に優るとも劣らぬ優れた性能と斬新なデザイン

17吋 T-17C1

20吋 T-20C1

10余年の貴重な研究と最高技術陣による成果を結集して完成したコロムビアテレビの欧米品に劣らぬ性能は

NHKの本放送開始以来その瀟洒なデザインと共に各地で大好評を得ております

と解説されてます。

値段の表記がないのですが、当時の家電は家具調でしっかり作りこんでますから、結構な値段設定だったと思います。

日本 欧米 テレビ大鑑(昭和28年4月)の目次

ーグラビアー
テレビの見えるまで
テレビ・カメラのある風景
日本テレビの思い出
テレビの人々
アマチュアの受像機拝見

以下、大項目の一部抜粋

テレビはこうして発達した

テレビの発展性は計り知れない大きさだ

テレビはこうして放送される

テレビ企業の全貌

16ミリテレビ映画の出来るまで

他に、マニアックな特集記事などもありまして……

ーアマチュアにもできるやさしいー
3インチより21インチまでのテレビ組み立て方☆誰にも分るテレビの上手な扱い方と買い方
ー特集ー

雑誌と言うより業界紙的な情報もまとめられており、

NHKテレビ聴視者名簿

テレビ聴視者アンケート

テレビ関係法規集

テレビ商社録

テレビ芸能人住所録

など、現代ではありえない情報も掲載されております。

広告はさんで各記事

テレビが映る仕組みが丁寧に解説されてます。

電波を受信して、お茶の間で鑑賞できるまでの流れですね。

撮影スタジオのスナップですね。

Left Caption

ホシガメ

アマチュアの受像機拝見って……、当時はそんなマニアがたくさんいたのでしょうかね?

放送開始初期なのに、将来系の技術情報までも掲載されてます。

公共放送としての……と当時の考え方が掲載されてます。そろそろ役目を終えたような気も……。

「テレビセットの上手な組み立て方」だそうです。回路図まであってかなりマニアックな内容です。管理人ホシガメにはチンプンカンプンです。

編集後記的なまとめページがあって、

テレビ関連の用語集(解説)ページと広告が、最終ページの見開きです。シャープのテレビ製造はお馴染みですが、NECはあまりイメージ無い感じがします。

裏表紙

天下の松下電器、ナショナルテレビの広告が裏表紙となっています。

上段の家具調テレビが、

17吋コンソール型テレビ受像機
17K-531 正価 290,000円

下段のかなり格好イイ家具調テレビは、

17吋コンソール型テレビ受像機
17K-532 正価 310,000円

当時にしちゃ、なかなかお高いですね!現代の150万円~200万円位に相当するでしょうか。

でも、広告のキャッチコピーと近未来的な本体デザインを目にした当時の人々は、戦後復興から高度成長への勢いも手伝って、意外に躊躇なく購入できたのかもしれませんね。

完壁の技術陣
完備した大工場が完成した
テレビの最高峯!

いよいよ待望のテレビ放送が開始されました。
当社では十数年にわたる貴重な研究と豊富な経験、最新の技術を導入した完壁の技術陣と、各種部品の設計製作から組立にいたるまでの一切を完備した大工場の一貫作業により、

明な映像、ぎらぎらしない画面・ユニークな近代的デザインなど欧米品にまさるとも劣らぬ性能をそなえたナショナルテレビを量産、

皆さまの御愛用をお待ちしております。

テレビは是非松下電器が自信をもっておおくりするナショナルテレビをご選定ください。

松下電器産業株試会牡

なんとなく『ALWAYS 三丁目の夕日』のシーンが思い浮かびます。

おしまい