『キング 三月號』大日本雄辯會講談社 昭和16年3月1日發行

2019年10月12日

今回ご紹介するパブリックドメインの古雑誌は、昭和16年3月1日に大日本雄辯會講談社(現・講談社)から発行されたキング 三月號です。

因みに、戦時中の一時期には「キング」が敵性語であるという理由で、タイトルを「富士」に変更して発行されていたようですが、「富士」名義の実物は今のところ入手出来ておりません。

割と厚さのある大衆娯楽雑誌なので、読み物ページなどを適宜省きながらのご紹介となります。

表紙

兎のイラストでほのぼのしたイメージの表紙ですが、右上には戦時スローガンが入ってます。

臣道實践

職域奉公

まだ真珠湾攻撃以前の時期ではありますが、戦時モード全開って感じがしますね。

(兎の髭の横に、以前の所有者の誰かが「70円」に「55」の上書きと、ひらがなで「まんば」らしき文字を青ペンで書きこんじゃってるのは、ご愛敬ってことで……w)

内容

まずは広告などから

最初の見開きは広告ページです。理研で胃腸薬出してたみたいですね。軽く検索してみましたが、現行品としては存在しないようです。

次の見開きページが目次になっているのですが、少し特殊な構成になっており、横長の目次ページ左右端を内側に折り返し、その折り返し部分のスペースを広告出稿用にうまく利用しています。

右の広告は、今もお馴染みライオンのハミガキです。

咀嚼力が強くなる

ってキャッチコピーが入ってますが……、当時はそんな効能がある成分があったのでしょうか??w

はるか昔の事ですが……、こどもハミガキって美味しい味がついてるから、そのまま飲み込んでしまいそうになり、それを毎度我慢してた記憶があります。

左の広告は「妙布」という湿布薬?らしきものです。何と読むのでしょうか?気になったのはその効能で……、

ちゝのこり
肩腰のこり
リウマチス
うちみ
筋肉の痛み

とあるのですが……、「ちゝのこり」??

凝るものなのですかねぇ??

キング 三月號 の目次

表紙・口繪 昭和十六年三月號
兎(表紙) 安西武志 撮影・松下正 着色
目次カット:間宮 正 筆
皇后陛下の御仁愛・国旗掲揚・民族の實 美術ネオトーン印刷
寫眞訪問………………………特別グラビヤ印刷
時局寫眞畫報………………特別グラビヤ印刷
百選百笑=漫畫電撃隊…………………特別二色オフセット印刷
海南島開發畫報……………特別グラビヤ印刷
夜間の空襲攻防繪ばなし…………特別二色オフセット印刷
誌上國策回覧板……………………特別二色オフセット印刷
笑へ!樂しめ!そして働け!(愉快の王國)特別二色オフセット印刷

小説・落語・漫畫
國 は 呼 ぶ(志村立美 畫)………菊池 寛
會 津 士 魂(斎藤吾百枝 畫)………笹本 寅
街 の 戰 友(田代 光 畫)………竹田敏彦
近 松 勘 六(中 一彌 畫)………海音寺潮五郎
お小夜悲願(富田千秋 畫)………角田喜久雄
大 地 の 朝(矢島健三 畫)………諏訪三郎
出 征 豆 腐(川原久仁於 畫)……古今亭志ん生
連載漫晝 朗らか国策部除……………………三光同人卜リオ

記事
米國の猛省を促す(時の言葉)……………外務大臣 松岡洋右
英米合作と太平洋問題を語る座談會……五名家
戦  陣  訓(詩)……………………………松村又一
持てる國日本……………満州国大陸科学院長 鈴木梅太郎
新體制の確立に突入せよ……………………社説
人生必勝法………………将棋名人 木村義雄
はてな?ハテナ?……編輯局選 一行知恵袋……編輯局選

キング笑話選……編輯局選 物價繪統計……村本一郎
身體の傷と心の傷……………………荻野憲祐
天の聲地の聲(名言名句)……四偉人 近作玉什………諸名家
現代名士五分間傳記……………………………………
愛國百人一首……………歌人 川田順
小笑ひ中笑ひ………………………………編輯局選
大山元帥と捨松夫人………陸軍中將 堀内文次郎
東西美談逸話………………………編輯局選
家庭科學何故々々問答(電気の話)………
一問一答常識大學……………………………編輯局選
空爆下のロンドンを語る座談會………
御存じでせうが…………………………………編輯局選
これからの會社の經營………相田岩夫
川柳漫書…………………………………谷脇素文
事變と恩賞その他兵事常識を語る座談會……(板津陸軍大佐外七氏)
中等學校長の人生訓處世訓…………………草ヶ谷圭司氏外十三氏
隨感隨想……………………………
各種體驗談原稿大募集(奥附)……………………………

讀切小説と實話
傷病兵輸送列車(川瀬成一郎 晝)………宮本旅人
矢 押 の 樋(小山榮逹 晝)………山本周五郎
村 の 建 設(川瀬成一郎 晝)………野村愛正
八百八十番護謨の木(松野一夫 晝)………横溝正史
百 姓 劍 士(羽石弘志 晝)………小山勝清
代理部便り………………… はてな?ハテナ?解答……………
(禁複製)本誌掲載のものは無斷にて転載・上梓・脚色・放送・上演・映晝化其他一切の複製行爲を爲すことを禁ず

以上、一部字の小さなところやページ数は省略しましたが、目次の書き起こしとなります。手ごろな大きさの本ではありますが、厚みがありますので、コンテンツがみっちり詰め込んであります。

広告を交えつつ記事へ

右ページは、昭和前期の雑誌でよく見かける「ウテナ バニシングクリーム」の広告です。

清潔な身嗜
みで健康な
生活へ……

まさか現行品じゃないだろうけど……と思いつつ、一応調べてみましたら、なんと!現行品がありました。びっくりw

左ページは、当時の国旗掲揚の一場面です。どう見てもイラストにしか見えないのですが、写真と説明されてます。因みに、当時はまだ東京だったんですね。

寫眞訪問

司法大臣・陸軍中将 柳川平助 氏 だそうです。

他、当時の立派な方々なのでしょうが、管理人ホシガメは全くもってどなたも存じ上げませんでしたw

左ページは、耳の薬品で「パピロギン」とう商品の広告なのですが、イラスト(写真かも?)に惹かれました。他人に耳の穴を晒した無防備な美人の表情が、虚ろな感じに見えるところがイイですね。

時局寫眞畫報

ドモリ矯正の広告ってちらほら見かけますが、当時そんなに多かったんでしょうかね??

素朴な漫画が続きます

右ページは、日本犬をお勧めする広告です。キャッチコピーが以下。

番犬・獵犬に(柴犬・猪犬・秋田犬・仔犬)
日本犬のお奨め
日本犬には米と肉は不用!
昔は日本犬にヌカを喰はせた
昔の飼ひ方にもどりませう

なんか凄い勧め方ですね。

そして、「夜間の空襲攻防絵ばなし」という記事に移ります。

結構分かりやすく解説されてますね。

自力健康器

ベルト式の器具のようですが、「チンチンと妙音が出る」そうです。今となっては無理でしょうが、実物を手にしてみたい気になりましたw

右ページ、健康回復の体験談を記事にしたような構成ですが、養命酒の広告になってます。今も昔も、広告訴求のバリエーションってそんなに変わらないもんですね。