コロムビアのサウンドボックスNo.9のダイヤフラム自作に成功

2019年5月26日

以前の記事で、サウンドボックスNo.9の代替ダイヤフラム自作に挫折したのでありましたが……。

前回の反省を活かし道具も含め少し工夫しましたら、割と簡単に成功しましたので以下にまとめます。

ダイヤフラムの材料

本当はスーパードライのアルミ缶で作ろうと思ってたのですが、たまたまなかったので、コストコで売ってるベルギービールもどき?の缶を材料にしました。

缶の上下部は不要ですので、ナイフでざっくり切り分けて胴の部分を使います。輪っか状に切り出した銅の部分を三等分すると、ダイヤフラムに必要なサイズのアルミ板3枚となります。

前回の失敗では、ダイヤフラムの中心部をドーム状に押し出す際に亀裂が生じましたので、今回は事前にアルミ板の焼きなましをしました。

3のアルミ板をそれぞれガスコンロの直火で焼いてみたのですが、アルミ板は思った以上に溶けやすく、1枚は真っ赤になった後クニャクニャになってしまって脆くなり失敗、残り2枚は加減がなんとなくわかったので程々に焼いて使える状態にできました。(直火焼で溶けない範囲の時間は数秒程度です)

秘密兵器の登場!

前回の失敗をふまえて何らかの治具が必要だと思い、いろいろ思案した結果、思いついたのが真空管アンプのソケット用サブシャーシを利用することです。

アルミ製60X60mm角で、厚さが1.5mmのプレートが2枚です。ダイヤフラムに必要な直径58mm程度がとれるアルミ板を、歪まないように挟んでおくために都合いい大きさです。

中心穴の直径が21.5mmとなっており、押し出すドーム部の直径も20mm前後で考えてましたので、まるで誂えたかのようなピッタリサイズです。

ビール缶から切り出したアルミ板を均一の圧力で挟めるよう、念のため各アルミプレートの片面(内側)を紙やすりでならしておきました。

土台も大切ですので

前回はそこらにあった穴あきプラスチックを土台に使ったため、グラグラずれて作業しにくかったので、今回はしっかりブレずに受けられるよう、厚みのある穴あき木板を考えてましたら……。

部品取りのためにジャンクで入手したコロムビアNo.104(本体・クランク・サウンドボックスがなく、金属ホーンも錆び錆び……)のモーターボードが使えそうです。

スピンドル用の中心穴の周りに、アルミプレートを受けて横ブレさせないためのネジ受け穴をキリで掘って受け台としました。作業台としても手頃な大きさで使い勝手がいい感じです。

いよいよダイヤフラムの成型

アルミ缶から切り出して焼きなましたアルミ板を、アルミプレートでサンドイッチ状に挟み。四隅をネジとナットで固定します。そして受け台のネジ穴に四隅のネジがはまるように固定します。

あとは、ドライバーのグリップエンドをアルミ板の中心にあてがい、プラスチックハンマーで軽めにコツコツ叩いていくと、少しずつダイヤフラムのドーム部が打ち出されていきます。

時々台座からはずして、打ち出したドーム部の高さが4mm弱程度になるまで確認しながら作業を繰り返します。

面倒なので目視でやってしまいましたが、おおよそ4mm弱の高さにドーム部を成型できたら、プレートから取り外します。今回は材料2枚なのでもう1枚も同様に打ち出しました。

因みに、前回はアルミ缶の塗装面に紙やすりをかけてから成型に取り組みましたが、今回は焼きなましてから打ち出すので強度に不安もあり、紙やすりはかけませんでした。(単なる手抜きの言い訳w)

まぁ、焼き後のままなのも、それなりに味があって悪くはないと思います。

ダイヤフラムの形に仕上げます

2枚あるので、アルミ缶の印刷をドーム上部にしたものと、裏表逆のものにしてみました。

ドーム上部に印刷のないバージョン。指紋が目立ちますが……。

ドーム上部に印刷のあるバージョン。

サウンドボックスNo.9のシェルをのせ、切り取り線とすべく外周部をマジックペンでトレースします。

雑な作業ですが、これが手っ取り早いのです。

ハサミでチョキチョキ切り抜きました。

サウンドボックスの組立て

2枚のダイヤフラムが完成しましたが、とりあえずドーム上部に印刷がない方をサウンドボックスに組み込んでみます。

ガスケットをセットしてサウンドボックスに納めます。(焼けた印刷面が古色っぽくていい感じかも?)

仮組みしてみましたら、カンチレバーとドーム頭頂部にズレもなくぴったり合いそうです。

一旦ダイヤフラムを取り出して、ドーム頭頂部にカンチレバーに接続するための小穴をあけます。画鋲の先端を少し刺した後にキリで少し揉んでカンチレバーのネジ穴サイズに調整しました。

カンチレバーとのネジ止め部を、アーム取り付け口側から見たところ。ビビり防止か?ネジの緩み止めなのか?ここに接着剤が塗布されてる個体をよく見かけますが、とりあえず何も塗らずにおきました。

試聴してみます

やっと自作ダイヤフラムが完成し、サウンドボックスの機能も復活しましたので、早速試聴してみました。

蓄音機本体の箱鳴りともバランスよく低音の濁りはありません。また高音のビビりは全くなく、純正よりも少し硬めな印象のある高音の伸びが確認できました。(ガスケットが新しいのでビビらないのは当たり前ですが)

あえてケチをつけるとすれば、純正よりも少し音量が弱めかもしれないところですかね。でも、おおむね満足できる鳴りっぷりで、未整備のNo.9よりはいい音が出ていると思います。

こりゃ、大満足!

手前みそながら、見た目はみすぼらしいけど音質的には素晴らしい仕上がりとなりました。

でも、このサウンドボックスはハイブリッド電蓄用にまた改造するんですけどね……。

まとめ

  • ビールのアルミ缶は事前に軽く焼きなましておく
  • ドーム押し出し周辺部の変形予防・中心部の正確な打ち出しのため、ガイドとなるプレートで挟んで固定する
  • 適度な大きさの穴あきボードに、プレート固定用の加工をして横ブレを防止する
  • 力任せにフリーハンドで器具を押しつけるのではなく、垂直に中心点をブラさず少しずつ叩いて押し出していく

上記4点が成功のポイントだと思います。

更に簡単かつ高精度に作業するためには、ハンドプレス機と矢坊主があればとも思いますが、代替のダイヤフラム作成にそこまですることもないでしょう。

以上、この記事が世界のどこかでどなたかのお役に立てば幸いです。