「地球の上に朝が来る」川田義雄とミルク・ブラザース

2019年4月11日

コロムビアの蓄音機No.110Aを紹介する記事でも触れましたが、管理人ホシガメには、どうしても蓄音機で聞いてみたかった曲があり、SP盤や蓄音機を入手してきた経緯があります。
その中でも特に聞きたかった曲が、川田義雄とミルク・ブラザースの「地球の上に朝が来る」です。

レコード発行情報

タイトル:地球の上に朝が来る
作詞:川田 義雄
作曲:川田 義雄
編曲:平 茂夫
歌手・実演家:川田 義雄 と ミルク・ブラザース
製作者(レーベル):ビクター
リリース年月日:1950年6月
商品番号:V-40402
その他(ジャンルなど):ナンセンス

※今回記事にするにあたって上記各項目を調べてたら、手元にあるのはV-40402の商品番号なので、1950年の再販盤のようですね……。知ってしまったからには、1940年のリリース盤も入手したいと思います!

この曲にいたる思い出

いつ頃どのような機会に知りえたのか? 記憶にないのですが、そのコミカルながら少しもの悲しいメロディーと啖呵売の口上にも似た冒頭の歌詞、そして広沢虎造をフィーチャーした唸りは素晴らしく、「安楽なタイムスリップ感」とでも表現したらいいのか、不思議な高揚感をともないながら時間を遡る感覚に浸れる名曲だと思います。

ちなみに、ぴんからトリオの「女のみち」は、警官コントでチャリンコに乗った加トちゃんが口ずさんでいたのが強く印象に残ってますので、同じようにオリジナルではなく、その後の○○ボーイズ系グループが演芸番組で歌っているメロディーだけが、幼少の頃の脳にインプットされたのかもしれません。

今の時代は、記憶の断片からキーワード検索すれば必要な情報に簡単にたどり着けますが、管理人ホシガメの若いころはインターネットなんぞありませんから、一部フレーズしかわからないディープな懐メロを調べるのには苦労しました。
ラジオ深夜便をひたすらエアチェックし、時代の古そうな曲がかかってる部分をカセットテープで聴きかえすという、極めて非効率な方法で曲名や歌手を確認したりしてました。

そんなこんなで、「♪地球の~って曲は『地球の上に朝が来る』なのだ」と確認できて以降は、なんらかのメディアを入手しようとするのですが、復刻版のLPを探すにしても地方在住だとニッチな需要のものは在庫しませんから、なかなか見つかりませんでした。
しかし、 1993年になってCD版の『ぼういず伝説』がリリースされ、やっとメディア入手と相成りました。

『ぼういず伝説』は、SP盤当時の発行元でもあるビクターが音源からCD化したものなので、内容的には満足いくものになっていますし、CDの利便性はあるのですが、やはり「時代のリアリティを味わうには蓄音機とSP盤でしょ!」となるのが人情ってもんです。

かくして、手ごろな蓄音機とオリジナルのSP盤入手に、ふつふつと意欲が湧いたのでありました。

※蓄音機の入手経緯については以下の記事をご覧ください。

SP盤の入手について

SP盤の入手については、当初骨董市や目についた骨董店をターゲットに探してたのですが、さっぱり見つかりませんでした。

10年程前にネットオークションでも時々探し始め、検索条件を設定して数か月観察してたところ、やっと程度のよさそうなSP盤が見つかり入手できた次第です。

歌詞カードがありますので、以下PDFにて掲載します。

地球の上に朝が来る

歌詞カードの内容詳細

時代的にパブリックドメインになっていますので、以下に内容を書き起こしてみました。(実際の音源とは少し違う箇所があるような……)

歌詞カード表面


【庵点】地球の上に朝が来る、その裏側は夜だらう、西の国ならヨーロッパ、東の国は東洋の、富士と筑波の間(あい)に流るる隅田川、芝で生まれて神田で育ち、今ぢゃ浅草名物で、ギターならしてうたうたひ、森羅万象物すべて、リズムにのせて吹きまする、これぞ四人の乳兄弟で、英語でいふなら、ミルクブラザース、はたしていかなる、玉手箱、時間くるまで勤めませう。
草津よいとこ、いちどはお出よ、お湯に中にも花が咲くよ、アーチョイナ【繰り返し】よ。
「こりゃとても熱いぞ アアッ おい、番頭さん熱いよ、おい」水をうめろ
【庵点】それ、ちょいとみなさんきいてくれ、こないだ洋服新調し、ふんぞりかえって歩いたら、みんなニヤニヤ笑ってる。そいつはほんとによかった【繰り返し】。わたしもニヤニヤ笑ったら、しまひにぞろぞろついて来る、こいつは変だと、よく見たら、背なかに正札ついてゐた。そいつは、ほんとによかったね【繰り返し】
「よかねえよ、おい。」
【庵点】いやよ、いやいや、そんなうたね、まじめにきいてりゃ腹が立つ、レコードきくのは、いいけれどねうたふ私はつらいのよ。
「チョイト【繰り返し】」「気もちがわるいな、おい」ハイ
【庵点】春雨に野山も町も濡れにけり、雨の降る日は天気が悪いぞ。「こまったもんだな」
【庵点】股引や、ふるき破れてつぎだらけ、今朝の寒さに出臍ちぢまる。

歌詞カード裏面


【庵点】夢に忘れぬあの町よ、かわいい小ちゃな喫茶店、アあの娘の瞳よ、胸に燃えたつ恋の火よ。
「またあの喫茶店かナ、いつものやうになつかしいメロディーがきこえてくらあ」
【庵点】宵やみ迫れば、なやみは果てなし、みだるる心に映るは誰が影、
「この曲をきくと思ひ出すね」「そうだったわね」「あの頃、私は十六で、あなたは一つちがひの十七だったわね」「そうだったね」
「ふしぎですわね」「なにが、ふしぎなんだい」
「あれから、もう六年もたったのに、いまだにやっぱり、一つちがひですわね」
【庵点】赤い灯、青い灯、名物も、大東京のネオンサインはきいたけど、流れるメロディーあのうたは、昔なつかし、君恋し、あゝ、世の中よ、今も昔も変らぬは清き乙女のまごころぞ、逢ふは別れのはじめとやら別れて行くよ、おぼろ夜の、涙かくして空みれば、泣いてゐるよな、春の月。
都々逸【庵点】ギターのリズムに、都々逸のせりゃ、端唄も小唄もスヰングよ。

以上、今回は手持ちのSP盤で一番思い入れのある曲、「地球の上に朝が来る」の紹介でした。