コロムビア蓄音機のオートストップ機能の要!スピンドルカム

2019年5月11日

先日入手した、コロムビアのNo.460に関するレストアの続きです。

オークションに出品されているジャンク寄りの蓄音機を見ていると、しばしばオートストップ機能に必要なスピンドルカムが付いていない個体があります。

入手したコロムビアNo.460も例にもれず、スピンドルカムがありませんでした。やはり唯一のプラスチックパーツなので、数十年の経年劣化で破損してしまうことが多いのでしょう。

金属パーツの類は、汚れていようが錆びていようがメンテナンスすれば機能しますが、破損して取り除かれてしまったパーツはスペアにより補完しないといけません。

純正のスピンドルカムを入手したが……

当然のことながらメーカー供給の新品パーツはありませんので、オークションで探して入手しました。たまたまデッドストックの純正が出品されており入手できました。

これで、コロムビアNo.460のオートストップ機能を復活できるはずだったのですが……。

なんということでしょう~!

スピンドルに少し油を塗って滑りよくしてから、ゆっくり慎重に押し下げたのですが、スッと抵抗感がなくなりながら哀れ3つに砕けてしまったのであります。

なんか嫌な脂汗をかいてしまいましたよ。

デッドストックってことなので、このパーツもまた経年劣化していたわけですね。「そりゃ脆くなってますよねぇ~」と変に納得しつつ、このパーツでの補修はあきらめました。

でも出品者が善良な方だったので、特にクレームの意図なく状況だけメッセージを送ったところ、速やかに返金対応していただけました。ありがたいことです。

おかげで、レストアの意欲を削がれることなくモチベーションを維持できましたので、すぐさま再チャレンジです。

レプリカ?のスピンドルカムを試す

今度は別の出品者から、自主生産してるっぽいスピンドルカムのレプリカパーツ?を入手しました。

純正のスピンドルカムと形状はほぼ同一なのですが、材質も違うようですし色味も違います。特徴は純正よりも柔らかめに作られている所です。十分に粘りのある材質なので、これなら当分は壊れなさそうです。(単純なレプリカではなく、純正の欠点を補っている点が素晴らしい)

早速スピンドルに装着し、オートストップ機能を確認してみたところ、正常に機能するようになりました!

こういうスペアパーツを供給してくれる方がいることに感謝ですが、次回は自分でパーツを型取りし、スペア製作してみるのもアリかもしれませんね。

これにて、コロムビアNo.460のオートストップ機能が回復しましたが、この後で少しストップの効き具合を確認してみたところ、どうも2丁ゼンマイをフルに巻いた状態(80回転くらい)だと、トルクに負けて中心軸を抑えきれず滑ってしまうようです。(ブレーキはかかっているがギリギリ止まらない感じ)

純正パーツにはあるバネが無いですからね。それとスピンドルに装着した状態を比較すると、純正よりスリット幅が広がるようです。

試しに純正パーツの抑えバネを装着したところ、ゼンマイをフルに巻いた状態でもオートストップが効くようになりました。

ただし、今後もジャンク蓄音機の入手とレストアをしていく上では、スピンドルカムがなくなっている場合、このバネも当然ないわけですから、何らか代替できる部品が必要となります。

ひと工夫のアイデア

「なにか身近にある物で代用できないか」と思案したところ、キーホルダーで使う「二重カン」が思い当たりました。たまたまバネの効いた状態でスピンドルカムに嵌るサイズのものがありましたので、試してみたところバッチリ使えました。

純正のバネよりも締め付ける力は弱い感じですが、かえって付け外しが楽ですし、いくらでも替えが利くので、紛失に神経質になることもなく作業にあたれます。

純正スピンドルカムとレプリカの比較

こうして横並びで比較すると、単純に純正パーツを型取りしたものではなさそうに見えます。外径部と内径部の間を広く深く抉ってあるんですね。もしかしたら純正パーツの形も複数あり、別の形の純正品から型取りしたのかもしれません。

奥に見えるのがキーホルダー用の二重カンです。レプリカの方の内径部には二重カンを装着してあります。

スリット部分を比較すると、レプリカの方が広めに切ってあるようですね。

裏返したところです。純正パーツの方にひび割れが見えるのは、比較撮影のために砕けたものをとりあえず組み合わせ、バネで止めているだけの状態なためです。

スピンドルカムそのものの付け外しも、内径部に嵌めるバネの付け外しも、どちらにしてもレプリカの方が扱いやすいので、型取りしてパーツを自作するならレプリカからの方が良さそうです。

オートストップ機能復元のまとめ

  • デッドストックのプラスチックパーツは経年劣化の可能性に注意
  • 現代のレプリカパーツの方が高品質な場合もある
  • スペアパーツを自作するのも面白そう
  • スピンドルカムの抑えバネは二重カンで代用可能

以上、今回もいろいろとお勉強になりましたし、修理も楽しめて良かったです。

以下追記:

最近あらためて入手したコロムビアNo.115のスピンドルカムを見てみたら、レプリカパーツと同一形状のように見えますので、やはりスピンドルカムの形状もバリエーションがあるみたいですね。レプリカの方はおそらくこの形状のスピンドルカムから型取りしたものと思われます。